僕は爽彩さんのイジメ事件には一切関わっていません。

むしろ僕もイジメグループのある人物からパシリまがいなことをさせられていた時期がありました。

イジメのことがあって、爽彩さんがX中学校に転校してからも、時々、手紙のやり取りをして、互いに励まし合っていたんです。

 ただ、爽彩さんと僕との関係性を知らないY中学校の同級生からは、トラブルをおこした僕は犯人グループと一緒に見えたのかもしれません。

爽彩さんがウッペツ川に飛び込んだときも、学校や警察に呼ばれて事情を聞かれました。

でも、僕はあの現場にはいなかったし、一切関わりはありませんでした。

 爽彩さんが受けた酷い出来事について、僕はむやみに広めたくなかったので、爽彩さんのことはこれまであまり語らずにいました。

ですが、イジメ事件について報道があってから、真相を知らない同級生が、ネットの人たちに乗せられて憶測で言いたいことを話すのには耐えられない。

実名を出され、犯人扱いされるのはさすがに辛いです」

 亡くなる2カ月前にdさんの元へ送られてきた爽彩さんからの手紙には、dさんへの感謝の言葉と共に絵が描かれている。

dさんがイジメ事件には関わっていないことは先ほどの宮川さん同様、爽彩さんの遺族が断言した。

 現在dさんは、ノイローゼ気味となり、連日不眠に悩まされている。宮川さんやdさんは既に警察や弁護士に相談しており、被害届を出すことを考えている。